事業承継とは、事業を後継者に引き継ぐことです。中小企業庁の定義では、「「事業承継」とは、企業の熱い想いや技術を次の世代へつなぐこと」とされています。
後継者の違いによって事業承継の方法は次の3種類があります。
- 親族内承継
- 従業員などへの承継
- M&A
以前はほとんどが親族内承継でした。最近はM&Aも増えてきています。
経営承継円滑化法とは、事業承継を円滑化するために「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」のことです。
平成20年5月に成立しました。経営承継円滑化法では
- 遺留分に関する民法の特例
- 事業承継時の金融支援措置
- 事業承継税制
- 所在不明株主に関する会社法の特例
などが定められています。
事業承継税制とは、経営承継円滑化法において定められた、事業承継に伴う税負担を軽減する特例措置のことです。
- 非上場株式等についての贈与税、相続税の納税猶予制度(一般措置、特例措置)
- 個人の事業用資産についての贈与税、相続税の納税猶予制度
の大きく2つで、詳細には下記5つです。
非上場の株式等の承継に伴う、贈与税と相続税の負担を実質ゼロとする特例措置です。
非上場の株式等の承継に伴う、贈与税と相続税の負担軽減措置です。
個人事業主の特定事業用資産の承継に伴う贈与税、相続税の負担を実質ゼロとする特例措置です。
設備投資減税、雇用確保を促す税制、準備金の積立の3つの措置です。
M&A時の不動産の権利移転にかかる登録免許税・不動産取得税を軽減するもの。
事業承継の補助金には、次の2種類があります。
M&A時の専門家活用費用や事業承継・引継ぎ後の設備投資や販路開拓、設備廃棄費用等を支援します。
事業承継を支援するM&A専門会社のようなM&A支援機関登録制度に登録された登録支援機関を検索できます。
事業承継には様々な専門家や公の相談支援センターも充実しています。民間の会社もサポートしています。
ご自身に最も良い、必要と思われる相談窓口にお問い合わせをされると良いと思います。
各都道府県に設置されている独立行政法人 中小企業基盤整備機構の事業承継・引継ぎ支援センターで、承継コーディネーターやサブマネージャーと相談ができます。税理士や中小企業診断士等の外部専門家とも連携し、事業承継診断や事業承継計画策定の支援を無料で受けられます。
- 「経営者保証に関するガイドライン」の督促の適用
- 事業承継引き継ぎセンターでは、経営者保証解除に向けた経営者保証コーディネーターよる支援が提供されています。そこで解除要件となる「経営者保証に関するガイドライン」の充足状況の確認をします
- 経営者保証を不要とする新たな「事業承継特別保証」
弁護士が事業承継を適正にサポートすることは、安心のために重要です。
中小企業庁は、中小企業の円滑な事業承継を支援するために、様々な支援策を準備しています。
株式買取りや、相続税支払いなどのタイミングで、承継時に必要となるお金の融資や信用保証を受けることができます。
「事業承継における融資・補償制度」です。中小企業庁:「認定・申請に関する窓口」
ファンドから事業承継の資金を調達するのも一つの手段です。中小企業基盤整備機構ファンド事業部 ファンド事業企画課が「ファンドから投資を受けたい」という方に対し、ファンドに関する情報提供や投資交渉に向けた経営計画・資金計画の作成などをサポートしています。