M&Aとは?M&Aの流れや手法

M&Aとは

M&Aとは、狭い意味では Mergers(合併)and Acquisitions(買収) を意味します。広い意味では、これに加えて合弁会社の設立も含み、資本提携の意味でM&Aという語は使われます。

M&Aのスキーム

M&Aには様々なスキームがあり定型的ではありませんが多く行われるところでは下記のようなスキームがあります。

  • 事業譲渡
  • 株式譲渡
  • 株式交換
  • 第三者割当増資
  • 会社分割
  • 吸収合併
  • 新設分割
  • 資本業務提携
  • TOB(株式公開買付。Take Over Bid)
  • 敵対的TOB
  • 買収防衛策
  • MBO(Management Buyout。経営陣による自社買収)

中小企業のM&Aは、多くのケースで株式譲渡の方法がとられます。

合併

M&Aの合併には、新設合併吸収合併の2種類があります。

買収

買収には、株式譲渡事業譲渡の2種類があります。

M&Aの流れ

多くの場合下記の流れでM&Aを進めていきます。

  1. M&A仲介会社またはFA(ファイナンシャルアドバイザー)の選定、依頼
  2. 秘密保持契約書(NDA)締結
  3. M&A仲介会社またはFA(ファイナンシャルアドバイザー)と契約
  4. ノンネームシートで買い手候補と接触
  5. インフォメーションパッケージ(決算書ほか、詳細資料)開示
  6. 買い手候補と交渉
  7. トップ面談
  8. 基本合意書(LOI 。Letter of Intent)締結
  9. デューデリジェンス(法務・会計・税務・人事・ビジネス・環境など)
  10. DA(最終契約書。Definitive Agreement)締結
  11. クロージング。支払いの実行
  12. PMI(Post Merger Integration)

M&Aを支援する専門家

専門的知識や素人が行うと危険(損失、損害賠償責任、逸失利益、そのほか)があります。M&Aの手続きは弁護士はじめ各専門的に相談することをおすすめします。

弁護士

弁護士はM&Aで不可欠といえる存在です。M&Aが法律効果を目的としているため、当然ですが、各契約書で問題がないか弁護士が確認したりM&Aスキームの検討でも弁護士は重要なポジションであり、アドバイスは必須といえます。

公認会計士

バリュエーション(企業価値評価)では、資格自体は要件ではないものの、公認会計士は専門的知識を持っています。

このほかでも財務デューデリジェンス(財務DD)など、M&Aにおいて公認会計士は重要な役割を担います。

FA(ファイナンシャルアドバイザー)

大型M&AFAとなるのは、投資銀行のなかでもバルジ・ブラケット(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、バークレイズ、クレディ・スイス、ドイツ銀行、UBSなど)がFAとなることが多いです。バルジブラケットとは、リーグテーブルで常に上位を占めている投資銀行です。

それ以外のM&Aでは、それぞれに強みを持つ会社が、FAとなります。

金融機関

金額の大きいM&Aにおいては、金融機関と連携して資金を調達しM&Aを遂行します。

社会保険労務士

M&Aが終わったあと、人事労務のPMIを社会保険労務士が担当することが多いです。

税理士

M&Aで税務デューデリジェンス税理士が担当します。


M&A仲介会社

資格職の専門家とは異なりますが、M&A仲介会社も大きな役割を担います。マッチングができないとM&Aがそもそも始まらないからです。また、金額が大きい場合はFAが選定される場合が多いですが金額がそこまで大きく無い場合はM&A仲介会社がマッチングだけでなくM&A全体の進行をサポートすることが多いです。